車を売るなら!!

193

単に「中古車買取専門店」と聞いても、あまりピンとこない人もいるでしょうね。
しかし、具体的な社名を挙げてみるとどうでしょう?
「ガリバー」、「ユーポス」、「t-up」、「ラビット」、「カービュー 」、「カーチス」、「アップル」……
おそらく、一度は耳にした事のある名前ばかりじゃありませんか?
これらの社名はテレビやラジオのCMや新聞・雑誌の広告、ネットのバナー広告などで目にしない日はありません。
幹線道路を走っていても、これらの店舗を頻繁に見かけますよね。
勿論、それらは全てメジャーなチェーン店。これ以外にも、小さな買取業者は全国に多数存在します。
とくに近年、これら中古車買取業者の台頭が顕著です。
どうしてこんな事になったのでしょう?
単純に言えば「中古車の需要が増加しているから」なんです。
上に挙げた会社の中でも、元々は中古車販売をメインとしていた会社も少なくありません。
しかし、今では揃いも揃って中古車買取のほうに力を入れています。
中古車の需要が高まっている要因については、まず第一に「不景気」という事があげられます。
新車の販売が伸び悩んでいる分、中古車の販売数が伸びているのです。

そしてその背景には、今の乗用車、特に国産車の頑丈さもあるでしょう。
昔は「乗用車の寿命は十万キロ」と言われたものです。
これは、タイミングベルトの交換時期の目安が十万キロだったために、そう言われていたのです。
勿論、タイミングベルトさえ交換すればまだまだ乗れたのですが、ほとんどの人々はそれ以前に新しいクルマに乗り換えるのが一般的でした。
今から考えると、もっと走れるのにスクラップにするなんて、実に勿体無い話ですよね。
実際、日本国内で廃車にされたクルマが、海外でバリバリ現役で走ってる……なんて事はごく当たり前の光景です。
元来、日本の自動車というものは、世界一優秀な工業製品なのです。
それに加え、最近の国産車は、ゴム製のタイミングベルトではなく、チェーン式のタイミングベルトを採用するタイプが増えてきました。
したがって、「十万キロになると、どんなクルマでも査定価値は0円」……なんて言われる事も少なくなりました。
勿論、走行距離は少ないに越した事はありませんが、少なくとも「十万キロの呪縛」が解けた事によって、多走行のクルマの需要が増えたのも事実です。
中古車買取業者が増えた理由には「インターネットの普及」という要因も大きいでしょう。
以前なら、下取り以外の方法で中古車を売却しようと思えば、まず、電話帳などで中古車を買い取ってくれる業者を探し、電話でアポを取って車両を持ち込み、査定してもらった上で、買取金額を交渉する……というのが普通でした。
もし、買取価格に納得いかなかったら、また別の業者を探して、同じ行程を経なければなりません。
とはいえ、中古車買取業者の数も今ほど多くなかったので、結局は向こうの言い値で泣く泣く愛車を手放した……なんて人も多かったのではないでしょうか?
しかし、ネットの普及で状況は一変しました。
そもそも、中古車買取業者というのは、二十年以上前から存在していました。
しかし、あまり普及しなかったのは、その査定・売買方法が、ユーザーにとってお世辞にも便利なシステムとは言えなかったからです。
当時は「査定」といえば、「実車査定」が当たり前。
つまり、自分で運転して買取店にクルマを持ち込まなければならなかったのです。
それが面倒だから、多少買取価格が安くてもディーラーに下取りに出すケースが多かったんですよね。
そんな時、誕生したのが、「中古車一括査定」というシステムです。
簡単・便利なこのシステムのおかげで、今まで何も考えずに愛車を下取りに出していたユーザーが、中古車買取店を利用するようになったのです。
「自分の愛車の情報を入力するだけで、おおよその買取価格が分る」
……これはかなり画期的なことだったのです。
今ではクルマを売却しようと思えば、まず最初に「一括査定サイト」を利用するのが常識となっています。
ご存知ない方のために簡単に説明すると、インターネットの一括査定サイトに、自分の連絡先と愛車の情報などを入力して送信すれば、数日のうちに、多くの中古車買取業者から、あなたのクルマの査定結果が届くのです。
あなたはその中から、一番条件の良かった会社を選んで、実車の査定を依頼すればいいのです。
後日、その業者から査定員が派遣されますので、あなたは家で待っていればいいのです。
査定員が詳細に愛車をチェックした上で買取価格を提示し、あなたがその価格に同意したら、晴れて「売買成立!」となります。
基本的に、あなたは一歩も家から出る必要はありません。
どうですか?
実にラクチンですよね?
ネットがなかった時代の事を思えば、まさに隔世の感といえるでしょう。
以上のように、クルマを売却するのに一番お手軽な方法は、一括査定サイトを経由して中古車販売店で買い取ってもらう事だと断言して間違いありません。
次のページでは、この「一括査定サイト」について触れたいと思います。

ネットオークションで中古車を売買するなら

さて、先ほどのネットオークションとは別に、「中古車オークション」なるものが存在します。
(「オートオークション」や「業者オークション」と呼ぶ場合もあります)
これはいわば「中古車の卸売り市場」と呼べるようなもの。
魚市場や青果の「競り市」を思い浮かべて頂くと分かりやすいと思います。
中古車オークションには、その運営母体により、大まかに3つに分類できます。
★日本中古自動車販売協会連合会(JU系)……中小の中古車販売店の業界が運営する中古車オークション。古くからあるオークションで、会員数も多く、地域密着型の運営です。
★メーカーディーラー系……メーカー系のディーラーが運営する中古車オークションです。トヨタ系・ホンダ系などに代表されます。
★中古車オークション専業者……独立した資本が経営する民間の中古車オークション。中でも最大のUSS オークションは、東証1部にも上場されています。
また、最近では、会場の近代化も進んでおり、会場に足を運ばなくても、衛星やインターネットを通じて競りに参加できる中古車オークション会場も増えつつあります。
実をいうと、今現在流通している中古車のほとんどが、このオークションを経由していると言われています。
つまり、市場としては最も巨大な訳ですから、クルマを売る側からしたら、買い手も見つかりやすいと言えるのです。
しかし、残念なお知らせがあります。
このオークションに参加できるのは、会員資格のあるディーラーや中古車販売店、買取店などに限られます。
つまり、一般人は立ち入りできないのです。
でも落胆するのはまだ早いです。
実は、一般ユーザーでも、この中古車オークションでクルマを売却できる方法があります。
それは、「オークション代行業者」を利用することです。
一定の手数料を支払うことで、オークション代行業者があなたに代わって、愛車をオークションに出品してくれるのです。
必要な費用はケースによって異なりますが、以下のようなものです。
【オークション主催者に支払う経費】
出品料(出品するための費用)……約1~2万円。
成約料(落札された場合に支払う費用……)約1~2万円。
【オークション代行業者に支払う費用】
出品代行手数料……業者によって変わりますが、5万円前後が多いようです。
陸送費(オートオークション会場に車を運ぶための費用)……実費。距離にもよりますが、片道1~3万円くらいでしょうか。
さて、オートオークションで車を売るメリットですが、やはり「高価で売れる可能性がある」ということでしょうか。
需要の多いクルマなら入札も多く、価格が競り上がることが期待でき、予想外の高値となることもあります。
実際、中古車買取店の多くは、個人のユーザーからの買い取ったクルマを、このオークションで売却し、その差額で儲けているのです。
また、間に業者が入っていないので、経費を除いた落札金額がそのまま入ってくるのも魅力です。
これに対して、デメリットは何といっても「経費」です。
上に挙げた「出品手数料」は、クルマが売れても売れなくても支払わねばなりません。
たとえ入札がゼロだった場合でも必要なのです。
もし落札されなかった場合は、「再出品」か「車の引き上げ」を選択します。
再出品を選んだ場合、再度、出品料がかかります。
そして、車を引き上げる場合には、復路分の陸送費まで必要になるのです。
もしも、一度のオークションでクルマが売れず、何度か出品を繰り返すと、どんどん費用は膨れ上がります。
なので、オートオークションを利用して車を売却する場合は、一度の出品でクルマを売ってしまわないと、結果的に損をしかねません。
高額で売却したいがために、希望価格を高めに設定してしまうと、結果的に自分の首を絞めるような羽目になります。
落札されるように希望価格を調整して売却してしまうのが、懸命な選択です。

オークションのデメリット

043
もう一つのデメリットとしては、「落札者からのクレーム」もあります。
もし、落札後に車の不具合や申告漏れ、メーター改竄などが発覚すれば、オークションの規約により、ペナルティがオークション代行業者に課せられます。
その場合、結果としてあなたがペナルティを負担するという事態になる可能性もあります。
仮に高価で売却できたとしても、それまでに何度も再出品したり、後からペナルティを課せられたりすれば、最終的には大損となってしまうことも考えられます。
このように、オートオークションを賢く利用するなら、「高確率で落札される」ということが重要です。
高年式のクルマや、根強い人気のあるクルマがおすすめです。
逆に、不人気車や、古いクルマなどは向かないかも知れません。
ひとつ頭に入れておいて欲しいのは、オークション代行の手数料が「定額制」の業者と、「歩合制」の業者があるということです。
たとえば、定額制なら「一律5万円」。
歩合制なら「落札価格の5パーセント」。
……などという具合に設定されています。
先ほども述べましたが、高価値のクルマは中古車オークションで売却するのに有利です。
しかし、歩合制の手数料を徴収する代行業者に依頼すれば、売却価格が高い分、余分な経費がかさむので注意が必要なのです。